個人年金保険とは

個人年金保険

個人年金保険の種類や仕組みなどを主体に、保険種類による戻り率などを解説します。

超長寿時代に個人年金

人生100年時代とか、男性の平均寿命が81歳で女性の平均寿命は87歳など、最近は超長寿化になっていると言われ、長生きリスクを訴求する金融商品が大分増えました。
その中でも生命保険会社の個人年金は、かなり前から販売され続けている息の長い長寿対策商品と言えるでしょう。
安定した老後を迎えたい。その時に少しでも豊かな資金を…という方に個人年金保険を検討するのも良いと思います。


個人年金保険の大まかな解説

今後、少子高齢化が加速して年金原資が枯渇していく現状で、老後の心配事は「長生きのリスク」ではないでしょうか。
少々余談ですが、個人年金の加入年齢層を見ると、子育てが終わる年代から急激に加入者が増えるそうです。

個人年金保険とは率の良い貯金です

個人年金保険は「保険」となっていますが、保険としての死亡保障機能はありませんので実際は普通の貯金と似たような物になります。
生命保険は保険独自の利率(予定利率)が付く金融商品で、個人年金は死亡保障という機能をなくすことで、保障に付いての費用が保険料から大きく減らされる事無く運用されます。
個人年金は言い方を変えると「運用特化型無保障保険」みたいなものです。

死亡保障はありません

それでも死亡時には保険会社からお金が出るのですが、あくまで死亡保険金ではなく、今まで保険会社に支払ったお金から必要経費を引いて返って来るようなものなのです。
特に加入してから早期の返戻金(保険金では無く給付金と言う名目。)は極端に少なくなります。
その代わり保険料を最後まで払い込めば、銀行に貯金していくよりも少しは良いとか、まぁまぁ良い戻りが期待できるのです。

銀行定期預金 VS 個人年金

最近のこのご時世ですから、銀行の定期預金の利率が0.30%あると「金利が高い!」と驚いてしまいます。こんな状況なので休日に一度ATMでお金を引き出すだけで、せっかくたまった利息が無くなるのと同じようなものです。

これじゃぁ、大金を一括して銀行に定期預金するのも嫌になりますよね。
銀行預金よりも良い利率(配当金) が付くし、毎月積み立てないと(ちゃんと保険料を納め続けないと)保険契約が消滅するので、集金する強制力もある個人年金にした方が確実に貯金ができて、結果銀行預金よりも格段に得になります。

もう一つ特典があって、税金が少し安くなるという利点もあります。
個人年金保険は、実情は保険で無いので、年末調整や確定申告の生命保険料控除で特別に個人年金保険料控除の対象になります。

個人年金の種類

個人年金というと、毎月毎月何十年も保険料を払い続けて積み立てて、満額になったら何十年も掛けて少しずつ受取続けるという形式が一般的ですが、1回払い個人年金やドル建て個人年金などもあります。

円貨建てと外貨建て

●円貨の個人年金:日本円で支払い、日本円で受取ります。

●外貨建ての個人年金:日本円で支払う度に外貨に換算(両替)されて、外貨で運用されます。

外貨建て個人年金は米ドル建て個人年金が一番多く、豪ドル建てやニュージーランドドル建てもあります。ユーロ建てはごく少数ですが、最近はユーロ建てを販売停止する会社が見られます。

わざわざ外貨建てにする最大の利点は、超低金利政策中の日本円に付く積み立て利率(予定利率)よりも遙かに良い「好利率」を望めるので、外貨建てでの増え方か円貨建てよりも凄く良いことです。
最大の欠点は、外貨を円換算するときに「為替差損」になると最悪元本割れになることです。もちろん運良く為替差益があれば予想以上の戻りを期待できます。

複数年(平準)払いと一時払い

●一時払いは「契約時保険料全額一括払い」と言えます。
保険商品によって違いますが、一時払い最低保険料が100万円のものがあれば500万円などもあります。また、一時払いの最高保険料が5億円というものもあります。
外貨建て商品の場合は日本円で100万円支払って○,○○○ドルに換算するとか、○○万ドル分の○,○○○万円を支払うなどの方法があります。

●複数年(平準)払いは、月払い、半年払い、年払いになります。
一時払いは複数年払いより運用効率が良くなります。

定額個人年金と変額個人年金があります

定額個人年金:定額運用個人年金とでも言いましょうか、積み立て利率が決定すると保険期間中はその積み立て利率で運用し続けます。よく言う普通の個人年金ですね。

変額個人年金:仕組みとしては日本を含めて先進国の株式や債券で運用される特別勘定で、一時払い保険料を運用します。その後の運用結果はかなり上下するものと覚悟した方が良いでしょう。
定額運用と比較して危険度が大きいですが、短期で大きく増える可能性も秘めています。ただし、運用損になっても自己責任です。

もしかしたら、バブル経済が破綻したときの「変額保険」事件を思い出す人もいるのではないでしょうか。ですがそのときの変額保険と今の変額保険は安全性が違うそうです。

一部変額の個人年金

外貨建て個人年金で見かける運用方法で、一時払い保険料の例えば10%程度などのごく一部を変額運用し、残りを定額運用します。
変額部分と定額部分の割合を契約者が指定することはできず、外貨の種類と運用年数、加入時の積み立て利率などによって決定されるようです。

個人年金の運用

保険会社に支払った保険料は、契約時に定められた予定利率(積み立て利率)に基づいて運用されながら増えていきます。

支払保険料と年金原資

平準払いの個人年金は例えば20年とか30年間、毎月あるいま毎年など保険料を支払い続けますが、その支払期間は支払った保険料の運用期間も兼ねています。
厳密に言えば違いますが、保険料払込期間が終了した時点での支払保険料総額に、利息が上乗せされた物が「年金原資」となります。

保険料一時払いの個人年金は一度だけしか保険料を支払わないので、保険料支払期間が無いため、年金原資を育てるために「据え置き期間」が設けられます。

個人年金の受取り方法

個人年金の年金原資受取り方法は、年間一定額を複数回受取する「年金」で受取続けるというのが定番ですが、個人年金商品に一括受取が設定されていれば、一括受取も可能です。
また、年金受取期間中に早死にしてしまった場合、残りの年金はどうなってしまうのでしょうか。

年金受取りでさらに大きく受取れます

せっかく増えた年金原資を複数回受取するのは時間が掛かるばかりで嫌だな、と思う方もいるでしょう。
年金受取りのメリットは
●年金原資を一気に使い込んでしまうことを避ける
●複数回受取した年金額総額>年金原資額になる
ということではないでしょうか。

というのも、複数回受取という年金受取りの場合、受取人に支払って保険会社に残っている年金の残額は一定の利率で運用され続けているのです。
その運用成果分が上乗せされて、年金原資よりも受取年金総額が大きくなるので、年金受取りは時間を味方に付けてさらにお得になる受取り方法と言えます。

一括受取

個人年金を解約することで、運用されて増えた年金原資を全部受取ることができます。
また、年金原資の一部を解約して一括受取をして、残りを後述する受取り方法で受取ることもできますが、個人年金商品や保険会社によって可能または不可能がありますので、検討時に確認しておきましょう。

確定年金

各保険会社の個人年金保険で一番多い受取り方法ではないでしょうか。
確定年金というより、確定年数・確定額年金と各とわかりやすいかもしれません。例えば10年確定年金なら10年(10回)で、年額一定額の年金を全額払い切ります。
保険商品によっても違いますが、確定年金の年数は5年から5年刻みで40年まであるようです。多分、一番よくあるのが10年確定年金です。

10年確定年金は例えば、70歳で一回目を受取ると79歳で保険会社からの支払が終わります。

年金受取期間中に他界したら

ここで疑問になるのが、だったら75歳で年金を受取った(年金を6回受取った)後に他界したら、残りの4回分は保険会社に吸収されるの?と言うことですよね?

確定年金受取期間の途中で年金受取人が他界すると、あらかじめ指定しておいた「後継年金受取人」に残りの年金が毎年支払われ続ける、もしくはその時点の年金原資残額の「現価」で一括支払されます。
現価払いは残回数分の利息を考慮しないので、残りを年金で受取る総額よりも少ない金額になります。

これも保険会社によっては、指定された相続人に現価払いのみと言う場合もあるので、検討時の確認が必要です。

終身年金

多くの個人年金は一括受取か確定年金のどちらか一択ですが、この年金受取り方法も含めて三種(一括・確定・終身)から選べる個人年金商品は大分少ないでしょう。

存命の限り毎年年金を受取れるので、老後健康に自信があって長生きできそうな場合や、年金開始年齢が若い場合にオススメの受取り方法になります。
比較的少額の年金額なので、長期で受取るとお得になります。
ただし、例えば年金を3回だけ受取った後に急死した場合は残りの年金は支払われず、受取っていない残額分は保険会社のものになります。

最近は「保障期間付終身年金」を設定している保険会社もあります。
年金支払保障期間を例えば5年から20年の間で5年刻みで選び、もし保証期間中に年金受取人が他界した場合、指定された人に残回数を毎年支払うか、現価で一括払いします。

夫婦連生終身年金

これはほんの数社で設定がある年金受取り方法で、次に紹介する保障金額付き終身年金も含めて5種類から一択できる外貨建て保険商品があります。
夫婦のどちらかが年金受取人で、夫婦のどちらか存命の限り年金を受取り続ける事ができます。
運悪く早期に夫婦とも似他界した場合に備えて、最近は「保障期間付き夫婦連生終身年金」ができました。

保障金額付終身年金

年金受取人が生きている限り年金を受取れます。早期に他界したときのために年金原資額を最低保証します。

短期据え置き毎年受取

外貨建て個人年金でたまに見かける年金支払方法で、一時払い定額個人年金の派生種です。
保険料を一時払いして、1年間据え置いてから毎年年金を受取れる、言わば速攻タイプとも言えますが、毎年増えた分を刈り取っているイメージなので、大きく増やしてから分割受取する通常の個人年金とは全く違います。

円貨の個人年金は斜陽かも

昔の個人年金は凄く良かった的な話を聞くことがあるかもしれませんが、現在の円貨の個人年金はそのようなイメージを壊してしまうでしょう。
円貨の個人年金より他の保険商品で増やすことを考えた方が良いかもしれません。

あの頃はよかった?

話の腰を折ってしまいますが、超低金利政策が続いている現在、平準払いの円貨の個人年金の戻り率(受取年金総額/支払保険料総額)は、30年かけて支払って10年かけて受取って、105%を超えれば良い方です。

バブル経済が終わった直後までの円貨の個人年金なら、保険料支払期間30年・年金受取期間10年なら支払保険料総額の1.5倍は受取れたかもしれません。
円貨建ての個人年金を考えるのは、お金を増やす目的よりもお金を払い続けないと保険契約が消滅する、言わば集金強制力目的になるでしょう。

円貨の個人年金よりも率が良い商品

中途解約すると大損してしまうリスクはありますが、円貨の低解約返戻金型の終身保険で、30年支払って107%以上の戻り率を望む方が現実的かもしれません。
終身保険なら保険が成立した瞬間から高額な死亡保障が付くので、死亡保障が付かない個人年金よりも現実的かもしれません。

また、為替差損のリスクや円貨の保険では発生しない費用を覚悟できるのであれば、外貨建て個人年金や、保険料支払期間終了後に年金移行できる外貨建て終身保険などの商品もあります。

個人年金を検討するのであれば、上記に挙げたような個人年金以外の保険商品も検討する必要があると思います。
大切な老後資金で損することは避けたいものです。どの商品を検討するにしても、必ず複数の保険商品の戻り率を確認しましょう。

もし保険の相談をするなら

もしかしたら個人年金や老後資金を保険の専門家などに相談することもあるかと思いますが、保険ショップやファイナンシャルプランナー(FP)によって提案される最適プランは異なるでしょう。
これは保険ショップの専門家など、担当者の考えの違いや、保険ショップやFPなどで用意できる保険商品が異なることなどから生じる違いです。

また、担当者の年齢や保険販売経験の違いなども、提案の違いとして現れます。

個人年金商品の相談は、は大きなお金を動かす相談とも言えますので、複数人の意見やアドバイスを参考にして慎重に検討すべきです。
複数の保険ショップなどで話を聞いて、あなたに一番良い提案をした保険ショップ(ファイナンシャルプランナー)の意見を採用しましょう。
オススメの保険相談ショップなどは、別ページにまとめてあります。