保険の配当金とは

配当金の意味・解説

生命保険の配当金の解説です。生命保険独自の三種類の差益を元に発生した利益を、契約者に還元します。株式の配当金とは全く違います。

三種類の予定利率

生命保険には3つの予定利率というものがあります。

●予定利率
生命保険会社は、契約者から集められた保険金をもとに一部を積立てて、将来の保険金の支払いのための資金として運用します。
この運用による運用利回りを(利益)の推定見積もり率が予定利率です。

●予定死亡率
予定死亡率は厚生労働省が出している生命表から出された平均寿命をもとに利率を計算します。

●予定事業費率
保険会社の運営・保険の運用管理をするために必要な経費等を見込んで推定計算したのが予定事業費率です。

配当金とは

三つの予定利率と実際の運営との差で生じた、剰余金の一部を契約者に分配するお金のことです。
契約者が保険会社に支払う保険料は、これらの予定利率を組み込んで計算されたものですが、あくまでも「予定」ですので、実際にはあらかじめ予定(予想)していたように、死亡したり、利益が出たり、経費が掛かったりするとは限りません。
そこで実際に予定していたよりも余剰利益が出た場合に利益の還元をするものが「配当金」です。

■利差
利差損益とも言います。
見積もった予定利率と実際の資産運用との、運用利回りの差です。
予定利率より試算運用の実績利回りが高い場合は差益になります。

■死差
死差損益とも言います。予定死亡率と実際の死亡率の差で、予定死亡率よりも実際の死亡率が低ければ差益になります。

■費差
費差損益とも言います。予定事業費と実際の事業費の差で、予定事業費よりも実際の事業費が少なければ差益になります。

利差・死差・費差は毎年というよりも毎年度末の決算でそれぞれが算出され、差益が出た場合は剰余金となります。
この剰余金のうち、一定の数値を超えた部分を契約者配当金として還元するのが、各保険契約ごとに支払われるされる配当金になります。
保険会社は株式会社と相互会社があり、相互会社の場合は契約者は生命保険会社の社員扱いとなり、支払われた配当金は「社員配当金」と表記されることもあります。

三利源配当
利差・死差・費差、三種類全部の差益を原資とした配当金が支払われます。

利差配当
利差だけを原資にして配当金が支払われます。
代表的な利差配当は、5年の通算で配当を計算して利益を還元する「5年利差配当」です。

剰余金が出れば配当

決算時に剰余金が出ないと算定された場合、その年度の配当金の支払いはありません。
また、利差・死差・費差予定した利率と実際の利率の差は計算しないとわからないので、配当が出るとしても毎回同じ金額にはなりません。
配当金は確定額では無いのです。

配当金がある/ない保険

生命保険の商品によって「有配当保険」と「無配当保険」があります。
無配当保険はこの配当金は最初からありません。
配当の無い保険商品なので、配当があるの保険商品より予定利率などを実際の率に近いものを当てるので、保険料が安くなります。

有配当保険は無配当の保険商品より保険料が高くなります。
毎年の決算で利益を還元できる「毎年配当」も「5年利差配当」も利差を減資とした配当金です。

配当金の四種類の支払方法

保険に入っているけど配当金を受け取った事なんてない。と言う方がほとんどでしょう。保険の配当金は四種類の支払方法がありますが、配当金を直接現金支払いすることはほとんどありません。
また、保険の契約時に配当金の受取方法を選びますが、保険商品によっては配当金の受取方法が一種類だけの場合もあります。

●現金支払
先にも書きましたが、あまり行われない支払方法です。

●積立配当
四種類のうち一番多く採用されている支払方法です。
確定した配当金を保険会社に積み立てる方法で、保険会社に預ける形になるので保険会社所定の利率で運用され、利息が付きます。
複数回配当金を積み立てることで、保険期間中であっても、まとまった現金にして受け取ることも可能です。

●買増配当
配当金を一時払いの保険料として扱い、保険を買い増すことで保険金が増額えるので、配当の度に保障が厚くなります。

●相殺配当
保険料から配当金分の金額を相殺するので、保険料が安くなります。

予定利率について細かく説明

配当を決める三要素のうち、予定利率は景気や金利に左右されるものです。昔の保険は今よりも格段に予定利率が良かったので、かなりお得な保険になります。

保険契約に付く予定利率

個々の生命保険契約に付される予定利率は契約時の景気などにも左右されます。予定利率は金融庁の標準利率を参考にもしているものの、その標準利率は結局そのときの景気や金利を反映した数値です。
保険の予定利率は、保険契約が継続する限り続く、契約者に約束する運用利回りで固定金利です。
利率変動型保険以外は、この予定利率の数値を変えてはいけません。

予定利率の痛いお話

余談ですが、保険会社が今販売されている保険を契約させて、古い保険を解約させようとする事があるそうです。
バブル期までの生命保険は予定利率が高く、超低金利時代の現在になってもその予定利率を下げることはできません。

大まかにバブル期までの予定利率はだいたい5%〜6%台だそうで、平成18年頃は2%台、平成25年の予定利率は1%前後だそうです。
例えばバブルの頃の予定利率の高い終身保険を今でも持ち続けていると、商品によっては支払保険料総額の二倍近い解約返戻金が望めることもあるそうです。
また、平成18年頃の古い医療保険でも、今の医療保険と比較して、いわば「保険料対受取給付金比」の大きさが全く違います。

支払総額と受取金との大きな差額は契約者にとっては嬉しい差益ですが、これは超低金利時代の今、保険会社には痛い出費になります。
超低金利時代の現在、過去の高い予定利率を維持し続けるのは保険会社にとって余計な費用が膨らむ一方なので、高い予定利率の保険契約を消滅させたいのだそうです。

もし、あなたが予定利率が良いお宝保険を持っているのなら、いえ、10年以上経過している保険をお持ちなら、どの程度のお宝度なのか確認しましょう。
また、保険を見直すときが来ても安易に転換や解約をするのでは無く、保険金を下げるとか給付金額を下げるなどすれば維持できることもあるので、お宝保険を生かす方法を模索しましょう。