転換は、よ〜く考えてから

転生命保険の転換制度の意味と解説

生命保険の転換は、保険料を抑えながら新しい保険に加入できるというメリットがありますが、デメリットも囁かれる保険の下取り制度です。

生命保険の「転換」とは

転換制度とは、平たく言うと
今まで加入していた、終身保険などお金が残る保険の解約返戻金を頭金にして、同じ保険会社の新型保険に加入し直しましょう。ということです。
現在継続中の古い契約の生命保険を下取りして、最新のオイシイ保障やサービス満載の新しい生命保険の、保険料の一部に充当しますよ。という感じです。

最新の保障なのに保険料を安くできる?

今まで加入していた保険の全部または一部を下取りに出して新しい保険に加入すると、新しい保険の保険料が安くなります。
転換と言う言葉の他に、「下取り」「乗り換え」(同じ保険会社の保険同士で)「乗り換え」とも言います。

これは、今まで乗っていた車を下取りに出して新しい車を買えば、下取り無しで車を買うよりも安く買えることと、ほぼ同じ理屈です。

保険の営業職に
今の保険を更新して継続すると、現在の月額保険料20,000円が更新後に36,000円になります。ですが今の保険を下取りにして当社の新型総合保険に乗り換えると、月額22,000円になります。
と言われると、凄いお得感があってすぐに乗り換えたくなりますよね。
ですが本当に良い話なのでしょうか。

転換はオイシイ?

保険の更新が数ヶ月後にあり、更新時の年齢に合わせた保険料が設定されて保険料が高騰するので、転換制度を使って更新しましょう、といった営業をされることがあるかと思います。
更新までまだ何ヶ月もあるのに、新しい保険に切り替えるのを急ぐのも何か変ですよね?

実は転換すると、生命保険の販売者(生命保険会社の営業や、生命保険の無料相談会社の職員)に、新規に生命保険を契約したのと同等の成績が上がります。
保険営業職に、とっても(凄く)オイシイのです。

転換の疑問

古い保険を下取りに出せば新しい保険が安くなる事は嬉しいのですが、これが本当に契約者・被保険者のためなのか疑問もあります。
というのも、というのも、多くの古い保険は現在販売されている保険より予定利率が良いのです。
予定利率が良い保険は
●保険料の割には保障が大きい
●お金が残る保険は、現在販売されている保険よりも格段に解約返戻金・満期保険金・受取年金総額などが増える
という利点があるからです。
それを、今販売されている予定利率が低い保険に変えることが良いのか?という疑問です。

貯蓄部分を残さない手法?

古い保険終身保険部分などはある程度残して、一部を転換に使うと言うこともできると思うのですが、無理なのでしょうか。
例えば、総合保険の終身保険部分(保険金額300万円)の半分を転換に使って、残りの保険金150万円部分は生かす。という方法です。

ひどいところでは、成績を上げるため、貯蓄性のある保険の解約返戻金全額を原資に、定期保険や終身保障をしない医療保障で提案する生保営業もいます。
お金が貯まっていた保険の一部も残さず、全部お金が残らない保険にしてしまうのです。
これって今まで続けた終身保険部分が消滅することでもありますよね。

利率の話が無くとも、終身部分は一生涯の保障ですし、少なくてもお葬式代くらいは残したいものです。
生命保険に無頓着だったり付き合いで保険加入をしている人は、こういった転換制度を利用して必要な特約なども外されてしますこともありますので、注意してほしいものです。

バブル崩壊後に横行した転換

転換についての悪い話にも書いておきましょう。バブル景気が破綻した後に、保険の転換がかなり流行ったというより横行したという人もいますが、何故「横行」などという言葉を使うのでしょうか。

お宝保険があった

バブル時代の生命保険は予定利率が5%を超えの物もあったくらい、今では考えられないような高い利率が付いていたのです。
このような保険を「お宝保険」と言います。
バブル終焉後でも予定利率3%など、現在と比較すれば予定利率が格段に高かったので、ちょっと昔の終身保険はお金の残り方が違いますし、医療保険などは保険料の割に保障額が厚かったりします。
バブル時代あたりまでの高予定利率の保険がお宝保険なら、バブル終焉後の保険は「プチお宝保険」かもしれません。十分なメリットがあります。

バブル崩壊後に横行した転換

バブルがはじけて不景気になっても、生命保険会社はこの利率を堅持しなければいけません。
こんな高利率の保険を多数抱えたら、利息が重荷になって生命保険会社は破綻してしまいます。

そこでバブル後に発売された、保障はそれなりに新しくても利率が激減している、当時の新型保険に転換させまくったのです。
5%を超える利率の保険が半分ほどの利率の保険に変わるとは言わずに、保障の新しさをゴリ押しして転換させたのです。
お宝保険崩しとかお宝保険潰しとも言える、このような強硬な転換が「転換の横行」だというのです。

転換は既契約と新契約を比較しましょう

転換を勧められたら、まずは既契約と新契約の内容を徹底的に比較しましょう。特に既契約の内容の把握は大切です。また転換にツッコむ方法も書いておきます。

転換時の話法に注意

転換で問題になるのは、今まで加入していた保険のメリットというよりも、加入中の保障内容そのものを理解させないで新しい保険のメリットばかりを訴求する、営業手法とも言えます。
例えば月額保険料内訳が
●旧保険
終身死亡保険200万円→8,000円
定期死亡保険3,000万円→8,000円
定期医療保険:入院日額1万円→4,000円
合計20,000円

●旧保険を更新継続する場合
終身死亡保険200万円→8,000円(変化なし)
定期死亡保険3,000万円→17,000円
定期医療保険:入院日額1万円→9,000円
合計34,000円

●新保険
終身死亡保険:無し→0円
定期死亡保険2,000万円→8,000円
収入保障保険月額20万円→5,000円
定期医療保険:入院日額1万円→9,000円
就業不能保険:月額給付金10万円→4,000円
合計26,000円→転換したので21,000円に減額

凄く簡単に書きましたが、このような内容だとわかっていたらどうしますか?

私なら転換にツッコミます

管理人だったら、まず新型保険に終身保障する保険が全く無いことをツッコミたいですかね。
新保険を10年後に更新した場合の保険料と言うよりも、今の年齢+10歳の保険料も聞いておきたいですね。

医療保障の1回の入院限度日数も新旧で聞いてみたいです。案外、旧型が1入院90日限度で新保険が1入院60日限度なんてことが考えられます。
旧保険の、今より利率が高いと思われる終身保険200万円を,部分的に継続していないのは何で?というのも聞きたいです。
そもそも、新旧の予定利率を教えてもらいたいですよね。

私ならこのように転換を断ります

保険料が安くなると言っているけど、今までの貯金を毎月取り崩して保険料を部分的に相殺するために、自腹を切っているだけですよね?と、確認します。
あれ?新保険は終身保障が無いただの掛け捨てですよね?だったら乗り換えなんてしたくないよなぁ。と半ばあきれながら転換を拒否するでしょう。

今は生命保険に高利率を期待する時代では無いですが、転換を機に見直しをするなら、今契約している生命保険の利点を徹底的に聞いてください。
それでも転換した方が良いと判断したときのみ、転換しましょう。

転換を勧められたときのチェックポイント

最近の生命保険の転換で問題になっているのが、保険料の安さを追いすぎて、医療保障などが10年間の定期保障になっている事に気がつかないことだそうです。

更新・転換時などの3種類の選択

例えば今、大手保険会社の総合保険に加入しているとしましょう。
その保険の更新が来たときに
@今の保険を更新して続ける
A今の保険を転換して、同じ保険会社の新型総合保険に加入する
B今の保険は解約して解約返戻金を預金にする。次の保険は保険無料相談などで、格安保険会社の定期保険や医療保険を組み合わせて見直す
これらの方法が考えられます。
@は、今まで払っていた保険料の1.5倍から2倍以上の支払になる事が多いので、保険会社の営業職にAを勧められると思います。

転換して新型保険に加入するとき

今はお宝保険崩しが少なくなったようですが、その代わりに最近の転換は保障内容が薄くなっていたとか、余計な保障が付きまくったプランを提案されたという問題点があります。
Aの、転換して加入する新型総合保険の注意点を書きましょう
●医療保障
終身保障か定期保障か。定期保障なら何歳まで保障できるのか。
●死亡保障
終身まで続く死亡保障の金額
保険料払込終了と同時に消える死亡保障のうち、傷病で保障する保険金額と病気以外の保険金額
●介護保障
介護保障が必要かどうかを考えましょう
●就業不能保障
就業不能保障は、今の職場に復帰できなくても軽作業程度ができるというのであれば「働ける状態」と判断されるので、給付金が出にくく、働ける状態になれば給付金の打ち切りもある保障です。
医師にどのような判断をされてから、90日後から保障されるのか180日後から保障されるのか、また働けない状態に精神疾患の保障はあるのか、なども確認しましょう

転換にもメリットはあります

今まで貯蓄性のある保険を継続していたけど、今までの積立部分を活用して定期死亡保険や定期医療保険などに加入し、一時的に保障を大きくしたいのであれば、転換してもいいかもしれません。

転換は慎重に時間を掛けて調べましょう

もし転換するときは、上記の注意点を自分で細々確認するのは難しいこともあります。
転換を勧められたら設計書だけもらっておいて、保険ショップやファイナンシャルプランナーなどの保険の専門家に、設計書を見せて詳しく解説してもらうといいでしょう。
設計書の解説なら保険会社の営業職に説明してもらえばいいよね?と思いますよね。

別プランも考えましょう

もう一つ目的があって、医療保障と死亡保障を格安生保で組んだ場合の月額保険料・保険料総額、保障内容や保障日数・保障額・保障期間を聞いてみましょう。
65才まで払いで老後の年金から保険料を支払わなくてもいいのに、終身保障してくれて、今の保険を更新し続けるよりも保険料総額が安くなることもあり得ます。

保険の転換や見直しは、10年以上とか定年までお金を払い続ける商談でもあるので、乗り換え後のプランも格安保険の組み合わせプランも、納得できるまで時間を掛けて理解しましょう。
転換した新型保険(10年後の保険料も聞きましょう)と格安保険組み合わせプランを比較して、メリットがある方に加入すればいいのです。